天然ガス自動車は、光化学スモッグ、酸性雨などの環境汚染の原因となる窒素酸化物(NОⅹ)の排出量が少なく、硫黄酸化物(SОⅹ)もほとんど排出しません。また、喘息などの呼吸器疾患の原因となる黒煙や粒子状物質(PM)をほとんど排出しません。
天然ガスは、ガソリン・軽油等の燃料に対して、単位熱量当たりのCО²排出量が約25%少ない燃料です。天然ガス自動車は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CО²)の排出量をガソリン車より約2割、ディーゼル車より約1割低減することができます。
走行性能や燃費はガソリン車やディーゼル車など従来車と同等です。オクタン価がガソリン等より高く(メタンのオクタン価は130程度)、エンジンの圧縮比を上げて効率を高めることができます。また、気体燃料であるため、冬場でもエンジンスタートがスムーズです。
ディーゼルエンジンと比べた場合、騒音・振動が大幅に改善され、優れた静粛性を発揮します。
バス、塵芥車や配送トラックなどのディーゼル代替分野、業務用バン、軽自動車、乗用車、フォークリフトなどガソリン代替分野のいずれでも、幅広く活躍しています。
一充填当りの走行距離は300km程度で、日常の使用では問題ありません。最近では、炭素繊維を用いたFRP容器など軽量容器を採用し、搭載本数を増やすことで、従来車とほぼ同等の走行距離を確保できるようになりました。
天然ガス自動車は、基本的にガソリン、ディーゼル車などと同じ構造で、燃料供給系だけに違いがあります。天然ガスの燃料供給系には、過流防止弁、安全弁、主止弁などのさまざまな安全装置が取付けられており、ガス容器、配管・継手、機器類はすべて厳しい規格に適合したものを使用しています。また、ガス容器、遮断弁等の重要部品は、衝突の際に直接破損することのない位置に設置されていることから、通常の自動車と同等以上の安全性が確保されています。
ガス容器は20Mpaの高圧ガスを貯蔵することから、十分な強度を持つよう設計されており、追突テストを含む各種実験においても、変形・破傷などの異常は見られませんでした。 燃料配管系には、ステンレス製鋼管を使用しており、破損などが発生する可能性はまずありません。万が一破損した場合でも、ガス容器近傍の主止弁が閉止し、燃料の供給が停止されます。 火災が発生した場合でもガス容器元弁の安全装置が作動し、ガスは安全に大気中に放出されるため、圧力上昇によるガス容器の破裂はありません。また、放出したガスは、噴出速度が速く、空気より軽いため、速やかに拡散します。
自動車の排気ガスによる大気環境の悪化や地球温暖化を防止するため、天然ガス自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車などのクリーンエネルギー自動車の普及が急がれています。
これらのクリーンエネルギー自動車の燃料供給設備を単独、あるいはガソリンスタンドやオートガス(LPG)スタンド等に併設したものをエコ・ステーションといいます。
天然ガスの充填時間は以下のとおりです。また、専用の充填カードが必要です。
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