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ごあいさつ

代表取締役社長
津曲 貞利

 当社は1911年(明治44年)に南九州初の都市ガス会社として鹿児島市に創業以来、今日まで110年余りに亘って地域の暮らしと産業に欠かせない都市エネルギーを送り続けてまいりました。

 1996年(平成8年)、世界中で石油依存度が高まるなか、当社は将来に向けて安定したエネルギーを求め、石油に替わるエネルギーとして世界的に埋蔵量が豊富でかつ優れた環境適応性を有する天然ガスの導入に踏み切り、LNG(液化天然ガス)の受入れを開始しました。

 LNG船受入基地である当社鹿児島工場からはパイプラインやタンクローリー車によって、鹿児島市を中心に約15万戸のお客さまをはじめとして、広く南九州のガス事業者さまや工場・商業施設などの大口ユーザーさまに都市ガスおよびLNGをご提供しております。

 さて、エネルギーを取り巻く環境は世界の状況に応じて絶えず変化しており、日本においては2011年(平成23年)に起きた東日本大震災以降、原子力発電一辺倒のエネルギー政策に警鐘が鳴らされ、化石燃料に加えて風力や水力、太陽光といった様々な再生可能エネルギーを効率よく組み合わせるエネルギーベストミックスが求められています。2016年(平成28年)には電力事業、翌2017年(平成29年)には都市ガス事業の小売り全面自由化という日本のエネルギー事業における大転機が訪れました。さらに近年、地球温暖化防止の観点から気候変動枠組条約(UNFCCC)など、世界規模で脱炭素の動きが加速化し、2020年(令和2年)には日本の政府も「2050年ネットゼロカーボン」を宣言しました。

 このようにエネルギーを取り巻く環境が大きく変貌を遂げつつあるなかで、当社はガスコンロや給湯器・ガス暖房機器に加え、ガスで電気とお湯をつくることのできる家庭用燃料電池エネファームなどの分散型エネルギー機器や、太陽光など再生可能エネルギーを取り入れた省エネ・創エネ住宅、業務用のお客さまには電力と給湯・冷暖房を同時にご提供するコージェネレーションシステムや省エネ技術の導入などによりエネルギーに関わるトータルコストを低減するエネルギーサービスをご提案しております。また、ガス事業にとどまらず、再生可能エネルギーや電力事業にも進出し、つねにお客さまに最適なエネルギーをご提案する総合エネルギー企業として着実な歩みを進めています。

 さらに、当社はエネルギーにとどまらず、リフォームや住宅設備のご提案など快適性と環境性を兼ね備えた生活空間を創る「快適空間創造事業」、毎日の暮らしに寄り添う様々なサービスやスポーツクラブに代表される健康づくりなどお客さまのニーズに積極的にお応えし、快適な暮らし実現をお手伝いする「総合生活提案事業」など、地域に密着した幅広い事業展開を図っております。そして、これらの実現のために14社の関係会社を設立し、グループ経営を進めております。

 世界は時代とともに大きく変化し続けますが、いつの時代においても変わらぬ当社の理念、それは「地域を愛し、地域に愛される企業を目指す」ことです。

 私たち日本ガスグループは、創業以来守り続けてきた人々の暮らしの安心安全を守る「信頼の炎」、人々の暮らしに安らぎと心地よさをもたらす「幸せの炎」、地球の未来を拓き新しい時代のエネルギーを創る「希望の炎」という「三つの炎」を今後も大切に守り育て、つねにお客さまの声に謙虚に耳を傾ける企業でありたいと考えています。

 今後とも皆さまの深いご理解と温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長  津曲 貞利

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